DSH3を取る方法。ドイツ語試験DSHの傾向と対策。
DSHとはDeutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugangの略で、ドイツの大学で学ぶにあたって必要なドイツ語力があることを証明するための試験です。
他の試験についてはこちら「ドイツ語試験まとめ+結果。TelcのB2、TestDaf、DSH。」
得点率と結果の相関
以下が得点率と結果の表です。
DSH1は不合格ではないもののあまり役には立ちません。一部の美大に入学するぐらいは大丈夫かもせれませんが、後々DSH2以上を取り直す必要があるかも……。
DSH2があれば大抵の大学に入学できます。
DSH3が必要なのはドイツ語(Germanistik)など一部の学部専攻の場合のみです。が、ドイツでドイツ語を専攻してしまうような人ならDSH3なんて余裕でしょう。
大学や学部によってさまざまなので大学の募集要項で確認してみましょう。
辞書について
独々辞書の持ち込みが認められています。図書館で借りて持って行っても良いと思いますし、私のようにMy辞書を購入してもいいでしょう。
上は私のおすすめの辞書、Langenscheidtの"Großwörterbuch Deutsch als Fremdsprache"(←クリックで独amazonへ)
大学で勧められていたのもこの辞書でした。
辞書は使いこなせばかなり力強い味方になります。
リスニングで音を聞き取ったものの正確な綴りが分からないとき、長文の類義語の問題での確認、作文では単語の冠詞や組み合わせる単語の確認……などなど。
私は結局テストのときしか使わず今や棚の飾りと化していますが、分からない単語を辞書で引くと語彙力が強化されると思います。
筆記試験
読解
私が受験した時は「解答する時に長文からの丸写しはしないように」と注意書きがありました。どこからが”丸写し”と見なされるのかはよく分かりませんが、例えば関係のない部分を含んだ長い文章を延々と書き写すことはマイナスになると思います。
私はいつも長文を読む前に問題文に目を通すようにしています。そうすることで問題文のテーマが何なのか、何が訊かれるのか、どこに注意して読むべきなのか……といった事が分かるので読みやすくなります。
長文の問題に文法の問題がついてくるので、後で文法に20~30分くらい時間が取られることを考慮に入れて長文を読みましょう。
大体の場合一番目の問題の答えは一番目の段落、という風に段落ごとに問題が設けられているので答えがおよそどこにあるのかはすぐに分かると思います。一番最後にそれぞれの段落にふさわしい題名を選ぶ(フェイク有り)の問題があったのが難しかったです。
また、同義語問題も出てきます。辞書を有効活用すればなんとかなる気もしますが、それでも余りにボキャブラリーが少ないと難しいでしょう。
文法
割とハイレベルな内容が入ってきます。B2までの知識では高得点は難しいでしょう。ただ文法は配点が高くないのであまり重要視する必要はないかもしれません。
余裕があれば以下のような、助動詞の一般的な使い方以外の用法も頭に入れておきましょう。
Sie sagt, dass sie krank ist.
=Sie will krank sein.
”Lerngrammatik zur Studienvorbereitung: Lehr- und Übungsbuch, Niveau B2–C1”
学校ではこの本がおすすめされていました。Studienvorbereitungなのでかなり難しい内容が入っていて、あまり初心者向けではありませんが、DSHのテスト練習にはぴったりでしょう。
作文
作文問題は大体パターンが決まっています。とある議題とそれに関するグラフが与えられ、そのテーマに関する自分の意見を書くことが多いです。
対策本などを見れば分かりますが、一応以下に作文の流れを書いておきます。
1、導入。
テーマに関する一般的な意見を2、3文書きます。「~の是非について今日非常によく議論されている。」といったものでごくシンプルな内容です。
2、グラフへの繋ぎ
1、2文「ここに~についてのグラフがあり、…を明らかにしている。」
3、グラフの説明。
グラフを説明します。ここで時間が取られて肝腎な自分の意見を書くところで時間が足りなくなったりしないようにしましょう。つい細かく書きがちですがあまり詳しく書かなくても合格点はもらえます。またこの後の自分の議論に繋げられそうな比較などがあればそこに焦点を絞ってしまってもいいでしょう。
4、自論
まず自分の意見の結論を書きます。そしてその理由を書きます。
考えられる反対意見を書きます。
反対意見に対する反対意見を書いて、反対意見を否定します。
5、結論
最後にもう一度自分の立場を強調します。
以上です。よく使う表現は暗記しておきましょう。また、不安な単語は辞書で調べて冠詞や前置詞などの間違いをできるだけ避けましょう。そして何回か実際にタイマーを使って書いてみて時間配分を確認しておきましょう。
聴解
大学によって違うのかもしれませんが、私が知る限り試験監督の人がリスニングのスクリプトを読み上げます。CDの音源が再生されたりするわけではありません。
もし朗読が始まって声が音響の問題で聞き取れなかったりしたら手を上げて言いましょう。(まあ他の人たちが言うと思いますが。)私が受験した時も、後ろの方は聞き取りにくかったらしく他の受験者が「聞こえません!」と声を上げてました。
流れとしては以下の通りです。
1、問題文を読む時間
2、読み上げ一回目
3、メモ整理の時間
4、読み上げ二回目
5、解答用紙仕上げ
6、提出
まず事前にz.B.(zum Beispiel)やz.T.(zum Teil)といったよく使われる略語を覚えたり、自分流の略語を開発しておきましょう。(増加する/steigenなら↑、減少する/verringernなら↓と書く、など)
最初に問題文を読む時間が与えられるので、どこに注意して聞かなければならないのかポイントを抑えておきましょう。聞かれる重要なところに下線を引いて見てすぐに分かるようにするといいかもしれません。
ここで余裕があれば良く出てきそうな単語の略語を考えます。
例えばElektrische Zigaretten(電子タバコ)がテーマで、リスニング中にもその単語が頻出しそうな場合メモにElektrische Zigaretten=EZと書いておいて、リスニング中その単語はEZと書くとか。
当然ですが自分で考え出した略語は解答用紙に書いてはいけません。(z.B.やd.h.(=das heißt)のように一般的に使われているものは大丈夫。)
最初の読み上げの時、最初から解答用紙に書くことはせず、とにかく問題の答えを聞き取れる限り白紙にメモします。
ただ、穴埋め問題は例外でシャーペンなどで解答用紙に走り書きして、後でボールペンで書き直した方がいいかもしれません。
二回目の朗読の前の時間に、問題とメモを見比べて、どの情報が抜けているのか、次はどこに注意して聞けばいいのかを確認します。
二回目の朗読はそれを埋めれるように聞いてまたメモします。
それから解答用紙に清書です。
時間に余裕があるようなら綴りが不安な単語は辞書で調べましょう。聞き取れていても、綴りが大きく間違っていると減点対象になります。また、書いた文が文法的に正しいかにも注意しましょう。
それから提出してお終いです。
口頭試験
作文の試験を口頭に置き換えたような感じです。
グラフ描写が苦手だったりするなら(私の事です)事前に色々なグラフを用意して対策しておきましょう。
練習が一番重要なところかもしれません。
喋りすぎかも?と思うほどとりあえず話しまくりましょう。
たぶんそれぐらい喋ってやっと丁度いいぐらいでしょう。
「外国人の話す日本語を聞いて考えた、スピーキングを上達させる方法5つ。 」
上の記事に少し書いたのですが、シャドーイングは結構おすすめです。
包括的な事柄&試験の内容について
筆記試験ではシャーペンを使ったら採点してもらえません。絶対に黒か青のボールペンで書きましょう。
後、日本人は大学試験などで慣れているかもしれませんが時間配分も重要です。
時間が終わって回収する時になってもまだ必死にペンを走らせている人が結構います。
みんなナッツやチョコなどのおやつを休み時間に食べているので、そういうものを持って行ってもいいかもしれません。
試験の内容は割と時事問題が多いです。適当にドイツ語でニュースサイトをチェックしておくと対策になります。
Na dann, viel Glück :))