今度こそ目標を達成するための方法が分かる本『やってのける』レビュー&感想

本、『やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~』の紹介です。


著者はアメリカの社会心理学者で、どのようにすれば目標を達成することができるのかということについて、裏付けとなるデータとともにまとめられています。

原題は『成功―どのようにして目標に到達することができるか』なので、意志力に関してだけではなく成功すること、また人生において何を目標にするべきなのかといったことについても掘り下げて書かれています。

 

人によって性格が様々なのと同じように、目標を達成するための方法もその人に合ったものがあるようです。この本を通して自分がどのタイプなのか、どのアプローチが適切なのかといったことを知ることができました。

 

この本の目次

イントロダクション 成し遂げるための科学
第1章 ゴールをかためる
第2章 なぜそこを目指す?
第3章 おのれを知る
第4章 楽観するか、悲観するか
第5章 ただ成功してもうれしくない
第6章 欲しいものと邪魔なもの
第7章 背中を押す
第8章 地道に壁を超える
第9章 シンプルな計画をつくる
第10章 自制心を日増しに伸ばす
第11章 現実を見よ
第12章 あきらめるとき、粘るとき
第13章 フィードバックの魔法

 

個人的に勉強になった点

参考にしたいと思った点をいくつかピックアップしてみました。

1、自制心は鍛えることができる。

怠惰に生まれついてしまったのでどうしようもない、と思っていましたが違ったようです。

 

2、目標の「なぜ」と「何」のどちらに注目するか

「掃除機をかける」と「部屋をきれいにする」。行動は一緒でも表現が違います。目標によって「なぜ」と「何」を使い分けることで、目標の達成率が変わってくるそう。

 

実は私、今まで寝る前に歯磨きをしたことがほとんどありませんでした。

しかし今年とうとう人生初の虫歯になってしまいました。それで「寝る前に歯磨きをしよう」と思ったのですが、習慣になってないし全くできません……!

結局寝る前の歯磨きは諦めていたのですが、なんとこの本を読んだ日から今日まで今のところ毎日歯磨きをしています。自分でも驚き。

それも「寝る前に歯を磨こう」と思うのではなく「寝る前に口の中をすっきりしよう」と思うようにしたからです。(一体何の話なんでしょう……)

しかし意識を少し変えるだけで20年来の悪癖が治ったってすごいことだと思いませんか?これが一時的なものにならないように頑張ります。

3、「証明型」と「習得型」

知能や能力を示したり、他者より良い成績や青果を挙げたりすることを重視する目標のタイプを証明型と呼びます。

技能や能力を高め、よりよい存在になろうとする欲求を満たすための目標のタイプを習得型と呼びます

本の中には簡単な診断テストもあり、私は証明型でした。証明型の問題点がかなりはっきり書かれており、あてはまることが多かったので改めようと思いました。

 

4、本当に必要なものはお金や名声ではない

この本によると本当に満足や幸福をもたらしてくれるものの鍵は「関係性」「有能感」「自律性」の三つにあるそうです。

「家でダラダラしたいから」という理由で誘われても友達と遊びに行かなかったり(さすがにこの理由を友達に正直に言ったりはしませんが)、家族との連絡をついおろそかにしてしまうので反省でした。

自覚が無かったり、こういう考えに反発を覚えてしまうことはあるにしても、他者との絆って誰にとっても大事だというのは否定できない事実なんだろうな、と思います。

5、達成しやすい計画の立て方

どのような目標を作るかを学んだあとは、その目標を達成するための計画作りについて学びます。

目標と同じく、計画も”つくり方”がとても重要です。効果的な計画とは「何を」「いつ」「どこで」「どのように」実行するかを具体的に示すものです

書かれている、「意思の力をできるだけ使わずに行動を起こす方法」を参考に……新年から頑張ろうと思います。

 

6、目標を捨てる勇気も必要

持ってきたまま一度も使っていない絵の具、たまに糸を買い足すものの進む気配がない刺しかけの刺繍、申し込もうかどうしようか迷っているオンライン英会話、読み方でつまづいて以降開いていないフランス語の文法書、毎日やろうと思ったまま一度もやっていないペン字の本、あちこちの美術館巡り、インドに行きたい、ポルトガルに行きたい、フルート始めたい、それからそれから……

 

やりたいことは無限にあります。

でもやらなければいけないことはもっとあるし、一日は24時間しかないし、一年は365日しかないし。

この本はそんな私に「どんなときに目標をあきらめるべきなのか」ということを教えてくれます。上に書いているのは目標以前の願望のようなものですが、本当に進路を迷っているときなどにも役に立つと思いました。

 

7、他の人のモチベーションを高めたいとき

この部分は主に部下がいたり子どもがいたりする方向けですが、自分で自分をごまかして目標を達成するのにも応用が効きそうだと思いました。

「科学的に正しい「ほめ方」五つの鉄則」がすごく勉強になります。私は使う機会がありませんが、このルールをもし私の親が知っていたら今頃こんなに怠惰じゃなかったはず……。

 

目標を立てる前に一読したい

達成しやすい目標の立て方、人生においてどのような目標を立てるべきなのか、目標を達成するための計画の立て方etc、もう一度復習して来年一年の目標を立てようと思います。